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簿記の約束事

簿記の約束事

簿記には三つの前提、つまり約束事があります。

その三つとは「貨幣計算」、「会計単位」、「会計期間」です。

簿記は全て数字によって表示されますが、数字で表示する場合は共通の尺度が必要になりますね。

例えば尺度には貨幣計算の他にも重量、容積、長さなど様々な尺度がありますが、簿記では全て貨幣単位に換算した数字で表示されます。

これは逆に言えば貨幣計算出来ないものは簿記の技術では財産や負債、資本などとしては表示出来ないという事になります。

例えば製造業にとって「技術開発力」は重要な財産ですが、これを貨幣計算で表示する事は難しいですね。

ただ無理をすれば貨幣計算出来ない事もありませんが、かなり恣意的になる事は否めません。

貨幣計算の欠点は計算過程でこの恣意が入る恐れがある事です。

簿記では計算に加える範囲、つまり会計単位を決める必要があります。

例えば個人経営の商店などにおいては店主やその家族の住む住居と店舗が一体になっているのは普通ですが、この様な個人商店の場合は財産、経費等全ての面で個人と営業の区分が難しいですね。

しかし簿記の最終的な目的は正しい財務諸表を作る事ですから、個人と営業は完全に分離する必要があります。

そこで現実の問題としては一定の基準を決めて、無理にでも分離して会計単位を決める事になります。

計算の範囲を決めなければ簿記の記帳は出来ませんのでやむお得ませんね。

会計期間というのは企業において「事業年度」や「会計年度」とも言われるもので、この期間は法律の規定もあって1年単位になっています。

但し、その1年を何月から何月までに決めるのかは企業の自由です。

会計期間を決めるのは企業の業績を分かり易く且つ比較し易くする為です。

企業はその活動において様々な公的なインフラを利用するので、例え上場企業でなくても社会的な存在としてその業績を明らかにしておく義務があります。

その場合会計期間が企業毎にバラバラでは第三者には企業の業績がよく分かりません。

ただ現実の問題としては株式を上場していない個人経営の中小零細企業などの場合は社会的責任云々ではなく、税法で1年単位の納税申告が義務付けられているので仕方なく1年を会計期間にしているというのが実情でしょうね。

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